2013年5月17日金曜日

バングラデシュ衣料品工場ビル倒壊に関する、統一衣料労働者連盟委員長ナズマ・アクテルさんからのメッセージ

 バングラデシュ衣料品工場ビル倒壊に関して、昨年のおおさか社会フォーラムでご講演いただいた統一衣料労働者連盟委員長ナズマ・アクテルさんからのメッセージをいただきましたのでご紹介いたします。

日本の労働組合・人権団体の兄弟姉妹のみなさん

バングラデシュから挨拶を送ります。

衣料品産業はバングラデシュの最大の産業の1つであり、この32年間、私たちの国の主要な外貨獲得源となってきました。400万人以上の労働者がこの産業で働いており、そのうち85%が女性労働者です。私たちの国の経済は彼ら・彼女らの貢献によって成り立っているのですが、誰も彼ら・彼女らについて気にかけていません。4月24日に私たちの衣料産業で大きな悲劇が起こりました。なぜこのような惨事が繰り返されるのでしょうか?

 買い手たち(主に海外の企業)は、自分たちの製品を私たちの国で生産しますが、決して労働者と職場の安全、労働者の権利、結社の自由、まともな賃金に関心を示しません。いつも自分たちの儲けのことばかり考えています。買い手と工場主は常に、労働者を安い労働力として扱ってきました。労働者と労働者の権利に対して、まともな敬意を示したことはありません。

私は、労働者が製品や道具ではなく、他の人たちと同じように人間であるということを言いたい。ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリア、日本や他の国々のファッション・ブランドや小売店、多国籍企業は労働者の人間としての権利の問題に関心を示していません。彼らは労働者の労働条件や権利の向上のための法律や規制の遵守のための働きかけを行っていません。そのために、この産業は多くの生命の犠牲の上に成り立っているのです。

しかし、私は、私たちが深い悲しみの中にある時、日本の仲間の労働者のみなさんが連帯と協力を申し出ていただいていることに感謝したいと思います。あなた方がこの問題に関心を向けてくれていることをうれしく思います。あなた方の行動は、この産業が労働者のための安全な環境が確立された信頼される産業に変わっていくことにつながり、また、工場所有者や政府に対する効果的な圧力は、すべての人々にとって望ましい新しい条件の確立につながるでしょう。

最後に、買い手たちは工場所有者に対して適切な条件の実現を迫るような全体的な状況を作り出す上で重要な役割を果たすことができます。私たちの国の民衆とあなた方の国の民衆の両方が力を合わせて、バングラデシュの工場で自社の製品を生産している買い手たちへの圧力を強めていきましょう。彼らは犠牲者たちに適切な補償を支払い、安全な職場を保証しなければなりません。私たち労働者は人間としての尊重と、その働きに対する誇りを求めています。私は日本のすべての兄弟姉妹のみなさんに、衣料労働者を支援することを要請したいと思います。もう一度、お礼を申し上げます。

連帯の挨拶をもって

ナズマ・アクテル(Nazma Akter)
Sommilito Garments Sramik Federation(統一衣料労働者連盟)委員長


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